最近注目されている“糖質制限ダイエット”は、やり方を間違えてしまうと健康に悪影響を与える可能性があります。今回は、糖質制限ダイエットの歴史や、メリット・デメリットをご紹介します。
【1.糖質制限ダイエットの始まり】
糖質制限ダイエットとは、もともと糖尿病や肥満症の改善のために考えられたダイエット方法です。1970年代のアメリカ人医師が考えた「アトキンスダイエット」というものが始まりとされています。
日本では、2013年に糖尿病患者へ向けた食事療法として用いられています。糖質だけでなく、カロリーや脂質の摂取量も減らすことで、より健康的に痩せることができると言われています。
【2.糖質とは?】
炭水化物、たんぱく質、脂質が三大栄養素と言われています。糖質は、炭水化物の1つです。炭水化物には、吸収消化可能な“糖質”と、消化のできない“食物繊維”から成ります。
糖質は、私たちが活動するエネルギーになり、脳や神経の活動にも影響を与えます。糖質を摂取すると太るという認識は間違えで、「糖質を摂りすぎると太る」のです。
【3.糖質制限ダイエットの効果】
糖質制限ダイエットの効果は、主に2つです。
1つ目は、体内の中性脂肪を燃焼させる効果です。体の中の塔が不足すると、体内に蓄えられていた中性脂肪が分解されます。分解された中性脂肪は、エネルギーとして脳や筋肉の活動によって消費されます。そのため、中性脂肪の燃焼効果が期待できるということです。
2つ目は、血糖値の急上昇を抑える効果です。糖質を制限することで、血糖値の上昇を抑えます。その結果、血糖値が上昇したときに分泌される「インスリン」というホルモンの分泌を抑制することができます。インスリンは、血糖値を下げるホルモンです。血液中の糖を脂肪細胞に取り込ませる働きがあります。インスリンが減るということは、脂肪細胞への糖の吸収を抑えることができるという訳です。
【4.糖質制限ダイエットのメリット】
糖質制限ダイエットのメリットは、3つです。
1つ目は、「血糖値の上昇が抑えられる」点です。血糖値の上昇は、脂肪を溜め込みにくい体を作ります。
2つ目は、「体内の脂肪がエネルギーとして消費される」ことです。体についた脂肪をエネルギーに変換して消費するため、脂肪燃焼が期待できます。
3つ目は、「野菜やお肉を食べるようになる」ことです。糖質制限では、主に炭水化物、お米やパンなどの摂取量を減らすのが一般的です。主食を減らすことで、おかずとなる野菜やお肉、お魚などをたくさん摂取するようになります。不足しやすい栄養素を補うことができます。
【5.糖質制限ダイエットのデメリット】
適度な糖質制限は、健康的なダイエット効果が期待できます。一方で、エネルギーとなる糖質を極端に制限してしまうと、体に不調が現れます。
・脳の栄養不足により、集中力が持続しない
・肝臓の糖質が分解されることで肝臓機能に低下が見られる
・体内のたんぱく質が分解され、疲れやすくなる
・「ケトアシドーシス」という昏睡状態を起こす可能性がある
糖質を制限することで、健康にこのような害を及ぼすことがあります。自分の体調を見ながら、制限することが重要です。糖質が人間にとって必要な栄養素であることは、決して忘れないでくださいね。
【6.糖質制限ダイエットをするときのポイント】
糖質制限ダイエットと言っても、具体的に何をすればよいのかご紹介します。今から始められることもあるので、まずはできそうなことからやってみてください。
まずは主食を控える方法です。1食あたり20~40gの糖質を制限して、1日で70~130g程度の糖質を制限することが推奨されます。そのためには、ごはんやパン、麺などの主食を減らします。ご飯の量を150gから100gにするだけで、糖質を18.4g制限することができます。量を減らすことが難しい場合には、豆腐やこんにゃく米などを利用することで、糖質制限ができます。
次に、間食を控える方法です。間食には、ドーナツやスナック菓子など糖質が多いものを選びがちです。糖質の多い間食は控えましょう。ナッツやチーズなど糖質の少ないものに置き換えると我慢することなく、糖質を制限することができます。
一番大切なのは、「自分のルールを作る」ということです。無理をしすぎると、反動で暴飲暴食をしてしまい、リバウンドにつながります。無理をせずに続けることがダイエットを成功させる秘訣です。例えば、「夜ご飯のときだけ、お米は食べない」「週に1回は好きなお菓子を間食に食べる」など、できそうなことを自分で決めて行ってみましょう。ストレスをためないために、すこしだけの我慢を積み重ねることが大切です。
まとめ
糖質制限は、正しい行うことで健康的な食事療法になり、ダイエット効果が期待できます。しかし、糖質を制限しすぎてしまうと、リバウンドの可能性があるだけでなく、健康を害してしまう危険性もあるのです。自分に合った健康的な方法で痩せるために、正しい知識と方法でダイエットを行ってくださいね。