Q.看護師の職場選びで注意したほうがいいことはありますか?(20代・女性)
資格を持たない人から見れば、手に職がある人と言うものは、とても羨ましく見えるものです。
仕事も沢山あるし、給料もさぞかしよいのでは・・・と考えてしまう人も多いでしょう。
けれど、せっかく資格を取得していても、それを活かさず、全く別の仕事についているような人も世の中には沢山いるものです。
例を挙げれば、看護師さんなども、求人は豊富で、収入も良いのに、資格を使わない人も少なくありません。
看護師の仕事と言うのは、知識や技術も必要となりますが、それ以上にコミュニケーション能力も大切になるため、人見知りが激しい人や、あまり人と接するような仕事をしたくないと言う場合には、資格を持っていても、敬遠するケースもあるようです。
しかし、最近では、世の中の不安定さもあり、眠っていた資格を活かすべく、看護師の世界に再び飛び込む人も多くいます。
けれど、あまり良くない環境の職場に就職してしまうと、転職を繰り返すことになります。
もし、新しい職場を探す際には、こんな点にも注意しましょう。
何回も求人誌に求人が掲載されている病院やクリニックは何か問題があるかも
日頃から、新聞の折込チラシなどは、よく目にする機会も多いかと思います。
また、スーパーなどでは、無料の求人誌が置いてあるところも少なくありません。
けれど、これらの求人誌ですが、注意してみると、いつも同じ職場が掲載されていることはありませんか?特に看護師募集の病院などは、ずっと同じ記事が載っているため、人手が足りていないのか・・・と感じることもあるものです。
けれど、このような何回も求人誌に掲載している職場の場合には、何らかの理由がある可能性もあります。
例を挙げるならば、看護師間の仲が悪く、新人が入ってきてもすぐに辞めてしまう場合や、看護技術が未熟な人などは、仕事が出来ないほど難しい職場の恐れもあります。
また、給料が安すぎて誰も続かないことや、残業がイレギュラーで頻繁に起こるため、家庭がある人はどうしても続けるのが難しい職場などもありますので、もしも看護師として就職先を探しているならば、そのような求人に応募する際には、ある程度は覚悟しておかないといけない場合もあります。
ただ、病院やクリニックによっては、立地条件が悪く、車で無いと通勤出来ないような場所にあったり、新病棟が出来るため、ただ単に人手不足なケースもあります。
求人に応募する際には、どのようなことで看護師を募集しているのか、収入面や人間関係の良さ、残業はどれぐらいあるのかなどと、しっかりとチェックして聞いておきましょう。
家庭的な職場=やたらと干渉される可能性あり
また、求人内容をみてみると、家庭的な職場です!アットホームな職場ですよ!とよく書いてある求人もあるものです。
このような家庭的な~と言うものは、一見すると、人間関係がとても良く、みんなで和気藹々としているのでは・・・と思っている人もいるかも知れません。
なお、職場によっては、本当に和気藹々としており、人間関係が良いところも多々ありますが、その逆で、やたらと人の入れ替わりが激しいところでも、家庭的だと表現するような職場もあります。
これは、何を家庭的だとするかによるもので、人に厳しく指導するようなベテランナースがいて、親身になってくれるため、家庭的な~と表現している病院も中にはあるものです。
けれど、いくら親身だと言っても、稀に自分の感情だけで、新人や気弱な看護師を苛めたりする、そんなベテラン看護師もいるものです。それに、看護師の職場と言うものは、本当に入ってみないとわからないため、家庭的、人間関係の良い~とされていても、自分に合う、合わないと言う問題が出てくる可能性もあります。
そのため、まずはどのような職場なのか、応募する前に、病院のホームページなどを確認しておいたり、知り合いに病院やクリニックの評判をきいておくのも良いかと思います。
また、派遣会社を通じて紹介してもらうならば、営業マンにどんな雰囲気かを確認しておくのも良いでしょう。近くにある病院であれば自分で足を運んでみて直接に病院を観察するのも効果的です。
即決採用は人手が足りないと言う点で人が定着しないと言う可能性も・・・
その他にも、病院などによっては、応募してきた資格取得者に対して、面接をしただけで即決採用となることも少なくありません。
これは人事関係者の考え方ですが、会ってみて良い人材なので、このまま手放すのは惜しい・・・と考えるケースもあれば、とにかく人手が足りないため、是が非でもうちに来て欲しいと考える場合もあります。
そのため、即決採用となる可能性もあり、職場に入ったのは良いけれど、初日から先輩看護師にしごかれたり、苛めに近い態度を取られたりする新人看護師もいるものです。
また、人間関係よりも、仕事を教えてもらえない、忙しすぎて、ゆっくりと休む暇も無いような病院もあります。
このような職場に当たってしまうと、看護技術がある程度はついている人だと、上手にこなしていくことも出来るかも知れませんが、経験が無いような立場の人では、仕事をするのも嫌になってしまうことも出てくる恐れもあります。
そうなると、他に仕事を探さないといけなくなり、転職を繰り返すと言うパターンに嵌ってしまうことも少なくありません。
即決が全て悪い、よく考えるべきだと言う訳ではなく、即決する理由には、上記のような惜しい人材を確保したいと言うものもありますし、ただ単に、面接に時間を掛けたくないと言う場合もあります。
もし、即決採用された場合などは、人事担当者にお願いして、病院やクリニックの中を案内してもらい、どのような雰囲気か、あまりにもせかせかとしていないかなどと、いろんな点をチェックしてみるのも良いでしょう。
同期入職が数人いる場合には比較の対象となる恐れもある
それに、新しく看護師として働き始めるならば、新卒として、数人で病院に入職するケースも沢山あります。
このような場合には、自分だけでなく、同じ立場の人がいるため、安心出来ますし、新人ばかりですので、いろんな悩みなどを打ち明けたり、相談することも出来て良い面もあります。
けれど、病院によっては、新卒者を同じ病棟に配属しないようなところもありますので、新卒者が多くて嬉しい・・・とはならないケースも少なくありません。
また、看護師同士で新卒者を比較の対象にして、あの人は仕事が出来るけれど、あの子は全く出来ないなどと、比べられることも多いものです。
もし、仕事が出来ないと言うレッテルを貼られてしまうと、それからもネチネチと先輩看護師に目をつけられて苛められたり、何かとターゲットにされてしまう恐れもあります。
このようなことを避けるならば、看護学校の卒業生にその病院に評判を聞き、どれぐらいの離職者がいるのか、ずっと続いている看護師もいるのかなどと、よく確認しておくのも良いでしょう。
また、看護学校によっては、同じ病院に何人も就職しているケースもあります。そんな場合には、やはり良い病院と言う可能性も高いため、就職先として考えるのも良いかと思います。
他の病院に転職した場合やり方の違いに戸惑う場合がある
どんなに前の職場でベテランであっても、新しい職場に行けばそこでは新人です。
今までのやり方と仕事内容が全く異なり、職場の雰囲気に馴染めずに苦しむ方も多いです。
ですから、新しい職場に行くことになった時には長年やってきたプライドは持ちすぎずに、新人看護師であった時の謙虚な気持ちで始めのうちは行動しましょう。
まとめ
看護師の職場選びは、とても難しいものです。上記のような問題もありますが、こればかりは個人差がありますので、自分は快適な職場だと思っても、第三者からすれば、あまり良くない環境だと感じてしまうことも少なくありません。
また、良い職場であっても、配置換えなどにより、人間関係が悪い場所に移動を命じられることもあります。
臨機応変にいろんな職場に対応出来るためには、ある程度の技術が必要となりますので、石の上にも3年と言う言葉があるように、辛いから辞めるを繰り返すよりも、少しは我慢出来るような職場ならば、転職するよりも様子をみたほうが良い場合もあります。