カジノピア 海の上のローラーコースター
遊園地の場所はアメリカのニュージャージー州のシーサイドハイツ。
2012年10月29日に米国史上2番目の破壊力を持つハリケーン「サンディ」により、一部が破壊され、無期限で閉鎖されました。
しかし、桟橋の下部デッキは経営陣によって再建され、2013年7月に一部の乗り物が営業を再開しました。なので、正確には廃墟ではないですが、この災害が奇跡的な光景を生み出し、廃墟マニアの心を掴み、一躍有名になりました。
海に浮かぶジェットコースターが美しすぎる
カジノ・ピアは海上に突き出た桟橋上に建設されています。
その桟橋の先に建てていたジェットコースター『スタージェット(Ster Jet)』が、ハリケーン・サンディが海に放り投げられ、なんとそのまま着地したんです。
構造がほとんど変わらぬまま海に落ちたジェットコースターは、巨大ハリケーンによる災害の象徴となりました。同時に、その幻想的ともいえる光景は多くの人々を魅了し、多くの写真家が撮影しています。
その後、スタージェットは2013年5月14日に解体され、海から撤去されました。
2017年5月には、スタージェットの代替となるジェットコースター「ハイドラス」がオープンしましたが、スタージェットの教訓を生かし、ハリケーンから守るために桟橋ではなくビーチに建設されました。
シックスフラッグス ニューオーリンズ
この遊園地は、アメリカ合衆国ルイジアナ州ニューオーリンズに位置します。シックス・フラッグス・ニューオーリンズは2000年5月20日にオープンしましたが、米国南東部を襲ったハリケーン「カトリーナ」により大きな被害を受け、わずか5年後の2005年8月21日に閉館を余儀なくされました。
特にルイジアナ州ニューオリンズの被害は甚大で、面積の8割以上が浸水し、浸水高も2m以上となりました。
約1ヶ月間水が引かず、多くのアトラクションが腐敗しました。再オープンが検討されましたが、費用などの問題で断念され、現在も廃墟のまま残っています。
このまま風雨に朽ち果てると思われていたシックス・フラッグス・ニューオーリンズですが、近年、映画業界から注目され、ロケ地として利用されるようになりました。
“猿の惑星 “や “ジュラシック・ワールド “などの映画のロケ地として使用されているのです。
プリピャチ遊園地
場所はウクライナの北部にあるプリピャチ市。プリピャチは、1970年代にチェルノブイリで働く人々のために建設された快適な都市です。
高層マンションやカルチャーセンター、プール、広場などがあり、かつては人口5万人ほどの賑やかな街で、当時のソ連の他の都市に比べても恵まれていました。しかし、1986年4月26日に発生したチェルノブイリ原発事故により、事故の2日後には全住民が避難し、無人の街となりました。
プリピャチ遊園地は、1986年5月1日のメーデーに合わせてオープンする予定でした。しかし、オープンの直前(わずか5日前)にチェルノブイリ事故が発生し、開園には至りませんでした。
プリピャチは今も危険なゴーストタウン、廃墟の街。
遊園地だけでなく、プリピャチの街全体が時間の止まったような状態になっているのです。30年以上たった今でも危険な状態が続いており、人間が安全に暮らせるレベルになるのは900年後という説もあります。
現在でも立ち入りは制限されていますが、自己責任に完全に同意する誓約書にサインすれば参加できるツアーがあります。
プリピャチ市は当時、世界地図に載らない機密都市でした。チェルノブイリの従業員に対する福祉制度は充実していたが、機密都市であったために事故後の対応が遅れ、その結果、多くの住民被害を受けたと言われています。
シュプレーパーク
こちらはドイツ・旧東ベルリンに位置する遊園地です。
1969年に開園し、当初はクルトゥアパーク・プレンターヴァルトという名称で、統一前の東ドイツで唯一の遊園地として人気を集め、年間約170万人が来園しました。
1990年のドイツ統一後は経営が変わり、シュプレーパークと改称されています。しかし、1999年代以降、経営が借金苦になり、入場者数は年間約40万人にまで落ち込みました。
2002年、経営者は破産を宣言し、家族と従業員数名、設備の一部とともにペルーに逃亡しました。
閉園後、設備は廃墟と化し、しばらくは立ち入り禁止となっていたが、2011年から内部のガイドツアーが定期的に開催されています。
今も回る世界的に有名な幽霊観覧車
シュプレーパークには、世界的に有名な都市伝説があります。それは、廃墟化した遊園地、観覧車だけが勝手に回り続けているものです。
閉園から15年以上経った今でも観覧車ひとりでに動き続けている理由は、現在も謎に包まれたままなのです。
観覧車が動く理由には色々な説があります。
ひとつは、風で動いている説ですが、回り方が規則的なのと、風の無い時に動き続けること、決定的な力に欠けていること。
もうひとつは、現在も電力が供給されているのではないかという説です、これは経営者が夜逃げしているので、電気代を支払えるはずがなく、可能性は限りなく低いです。
そして最後は、幽霊の仕業説です。
シュプレーパークは、廃墟化した後に不気味な声が聞こえたり、心霊写真が撮れたりするので、この観覧車も幽霊の仕業ではと言われています。
実際の理由は不明のままですが、キーキーという音とともに回る錆びた観覧車、なんとも不気味で怖いですね・・・。
ちなみに、ここで紹介した「シックスフラッグス」と「プリピャチ遊園地」は、”けものフレンズ”のエンディング映像のモデルになっているそうです。
楽しいアニメのエンディングになぜか廃墟の画像が使われたのは謎ですが、廃墟を通じて何かのメッセージが込められていたのかもしれませんね。